愛しき時代の話②
さて、愛しき時代の話を少しずつしていこうと思う。
といっても、全ての観劇の思い出を語るのは正直鳥頭な私には無理だ。公演の内容を覚えていてもそれ以外を覚えていなければ、それは愛しき時代の話ではなく公演の感想になってしまう。
というわけで、私の記憶の中に特に深く刻まれている時代のことを話していこうと思う。
この思い出話の数々は急に思い出す可能性があるため、毎回順不同で話していく。
今回は今までの観劇歴の中で1番戦犯した時の話をしようと思う。
\ドン!/時は遡り!
\ドン!/平成三十年長月!
\ドン!/埼玉県、戸田市文化会館!
ゴ〜〜〜ン
この話は、2018年9月21日に行われた
「SaGa THE STAGE ~七英雄の帰還〜」
埼玉公演の日に起こった事実である。
9月中旬の平日、世間は普通に働いたりしている時期である。
その日私は、まだ夏休み中だった。
というわけでバイトも休みを取り1ヶ月ぶりの推し活に浮かれきっていた。
あまりにも久しぶりに会えるのが嬉しすぎたのと、ソワレ公演しかないから大丈夫だと油断して20日の夜から21日の朝まで酒を飲んでいた。
これが良くなかった。
酒を飲んでいい気持ちになってつい微睡み、気づけば家を出る1時間前になっていた。
1時間前と言うと結構余裕に思うかもしれないが、シャワーも浴びてない、着替えてない、もちろんメイクもしていない。普段現場の時は3時間前には起きていた私、その時相当詰んでいることにすぐ気づいた。
とりあえずシャワーを浴びて、着て行く予定だった服で身を包み、軽めに化粧を済ませマスクをしていつもの鞄を持って家を飛び出した。
私の家から最寄り駅までは自転車で30分弱。決して近い距離ではなかった。電車に間に合わせるためになんとか激チャリをして、乗る予定の電車が来る10分前に駅に着いた。
そして切符を購入しようと思いカバンを開けた。
私は言葉を失った。カバンの中にはなんとチケットしか入っていなかったのである。
そう、思い返すと夜中に「財布の中とポーチの中を整理したい」と急に思い立ち、財布とメイクポーチをカバンから出していたのである。
「財布がない、でも電車も間に合わない…」
現金が1円もないのはまずいけど、家に帰る時間はない…私はモバイルSuicaの残金を確認した。
奇跡的に往復の電車賃+αがチャージされていた。
というわけで「チケットはあるし行くしかない」と私は電車に飛び乗った。いつもは携帯を見ながら時間を潰す私だが充電をなくしたら終わると思いながらずっとビクビクしていた。
幸い私は東京公演も大阪公演も観劇予定だったためグッズの購入は我慢して無事に観劇を終えてなんとか帰宅した。家に入った直後、安心感でそのまま倒れそうになったくらいだった。
今思い返すと、正直芝居もちゃんと観れていたか怪しいし、「帰りまでに充電持たなかったらどうしよう…」という気持ちだけが頭の中をぐるぐるしていた。気がする。本当に心臓に悪い。本当に良くない。
二度としたくない経験だけど、まあ、一度しておいてよかった経験だなとも思う。
そしてこの時に私は「観劇の前日は飲みすぎない」ということを強く心に刻んだのであった。
以上、私の戦犯話でした。おしまい。